2022年6月17日
(第8回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和
さて、コロナ感染が徐々に落ち着きを見せ、これを受けて政府も、経済の正常化に軸足を移す姿勢を強めつつあります。一方、昨年秋のような感染者数の低下には至っておらず、重症度・感染力などがはっきりしない変異株も見つかっており、予断を許さない状況に変わりはありません。また、ウクライナ情勢が長期化し、不確実性が強まる中、世界的なインフレ圧力が高まっています。日本でも急激な円安と物価高が生活を直撃し、雇用への影響も懸念され、早急な対策が求められているところです。
こうした中、一昨日15日に、第208通常国会が閉会しましたが、総じて論戦は低調で、審議は深まりませんでした。当初、今国会は、コロナ対応が最大の焦点と目されていましたが、政府・与党は、参議院選への影響を意識してか対決法案の提出を見送り、総理自身も具体性を欠く答弁に終始し、議論に背を向ける姿勢が目立ちました。
今年の施政方針演説で言及された「成長と分配の好循環による新しい資本主義」も、実行計画案が示さて、なお、その輪郭は、ぼやけたままでした。売り文句だった分配重視は見る影もなくなり、日本を成長しない国にしたアベノミクスの継承であることが明らかになりました。
そして、来週22日に今年最大の政治決戦である参院選が公示され、いよいよ選挙本番となります。この後3年間は国政選挙がないといわれる中、日本政治の方向性を決める極めて重要な闘いです。同時に、今回の選挙戦は、来春の統一地方選、大阪トリプル選にも直結し、大阪の未来を展望する闘いでもあります。
各党、候補者には、めざすべき社会像を堂々と示した上で、本質的な論戦を期待したいと思います。何より、働く者・生活者にとって必要な対策を訴える候補者を国政の場に送り出すことは、「生活者優先の政治を掲げる」私たち連合の責務であると言っても過言ではありません。
ただ、現下の情勢、各報道機関の世論調査では、政権、与党が高い支持率を維持する一方で、私たちが支援する立憲民主党・国民民主党は、伸び悩んでおり、厳しい闘いが予想されます。しかしながら、今一度考えなくてはならないのは、この間、例えば、賃金が上がらない構造、さらには、少子化対策もしかり、持続可能な日本社会への課題解決を政治が十分なアプローチをしてこられなかった。もっと言うならば、自助努力や市場原理に委ね、結果、雇用の質も劣化をさせ、さらには、社会全体で支えあう仕組みを十分に構築してこなかったことが、今の日本社会の大きな課題に繋がっているように思っています。
このような中、連合が目指す社会像を実現するためにも、弱者切り捨て、新自由主義的政治を改め、命と生活を守る国民目線の政治への転換を図ること、加えて、多くの課題がある中で、持続可能な日本社会の展望を如何に見出して行くことが重要ではないでしょうか。
来月10日の投開票日まで、短期決戦での取り組みとなりますが、私たち連合の責務を果たすためにも、皆様のご協力をあらためてお願いいたします。