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社会全体で成果を分かち合う春闘に向けて

2022年1月21日 (第3回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

取り巻く環境(コロナ、社会・経済)

 新型コロナウイルス感染症の発生から、2年が経過しましたが、収束へはいまだ道半ばです。昨秋以降のオミクロン株の拡大によって世界で新たな感染の波が起きており、わが国においても、年明け以降、急速に感染が拡大し、本日時点で、16都県にまん延防止が適用される事態となっていますし、加えて、本日、大阪・兵庫・京都3府県で国への要請が決定するとの報道もされています。そして、このコロナの再拡大により、世界経済も影響を受けており、米国、英国などでは、回復しつつあった経済にかげりが見えています。

 わが国においては、今月の日銀展望リポートで、経済の持ち直しが明確化しているという見方が示されましたが、一方で、今後、コロナ対策融資の返済が本格化することで、倒産や休廃業が増えることも懸念されており、原油高や原材料の高騰といった供給制約の影響も相まって、先行きは楽観できるものではありません。

春闘・政治

 こうした中での2022春闘となりますが、社会・経済情勢の先行きに不透明感が強まっているからこそ、未来につながる一歩を踏み出さなくてはなりません。コロナ禍の回復過程において、経済の力強い好循環を実現するためには、分配構造の転換が不可欠です。また、私たちが直面している課題を解決するためには、企業内だけでなく、あらゆるレベルでの対話や協議が重要となります。みんなで闘い、その成果を社会全体で分かち合う、そんな春闘を展開していかなければなりません。

 そして、私たちが運動を展開し、包摂的で持続可能な社会を実現するためには、民主主義が正しく機能していることが大前提となります。そのうえで、今月17日に開会した通常国会では、コロナ対策のほか、こども家庭庁、経済・安全保障法制など、重要法案が審議される見通しです。与野党ともに、「一人・ひとりの命とくらしを守り抜く」ことを基軸に、コロナ危機で浮き彫りとなった課題克服に向け、実りある議論を期待したいと思います。また、今夏には第26回参院選が実施されます。働く仲間のくらしと権利を守るために真剣に汗を流す政治家を1人でも多く国政の場に送り込むことが政治に緊張感をもたらす上でも重要です。特に、比例代表は職能代表の性格を持っており、構成組織の組織内候補を当選させることは働く仲間を代表する連合の社会的役割であると言っても過言ではありません。

 さらに、大阪におきましては、2025年に大阪・関西万博を始め、国際イベントが目白押しとなっており、大きな時代の変化を迎えつつあります。大阪で「働くことを軸とする安心社会」を実現するためにも、大阪選挙区での取り組みは大変重要となります。今後、組織内で議論を尽くし、対応していきたいと考えています。

最後に

 最後になりますが、阪神・淡路大震災は、今月17日で発生から27年目となりました。こうした中、トンガで1000年に一度とも言われる大規模な火山噴火が発生し、わが国でも、津波への警戒が高まりました。災害の記憶・教訓を風化させず、防災への意識を高め、BCP含め備えを着実に進めていかなければなりませんし、一方でウイルス災害、コロナ感染拡大の今こそ、私たちは、この間、得られた「社会全体、さらには、我々の運動」の気づきを活かしていくことが、重要だと感じています。

 みなさま、本年も力をあわせてともに頑張りましょう。