2021年12月17日
(第2回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和
コロナの状況ですが、現時点の感染者数は落ち着いているものの、連日の報道にもあるとおり、変異株の拡大が新たなリスクとなっています。政府も、拡大防止に向けた水際対策を講じており、現時点では日本での大きな拡大には至っていませんが、予断を許さない状況に変りはありません。年末・年始にかけての感染拡大が懸念される中、検査の徹底を進めることで感染状況を見極め、リスクがあれば行動制限などの機敏な判断と対策が重要だと思っています。
このようなコロナの動向は経済状況にも影響を及ぼしています。先月末、内閣府は、昨年5月を景気の谷に認定したことから、形式上は昨年6月から景気の回復局面に入ったことになります。しかしながら、実際は、感染状況によって経済活動が大きく左右される状況が続いており、直近の2021年7〜9月期の国内総生産成長率(2次速報値)が、前期比0・9%落ち込み、年率換算では3・6%の下落です。2021年1〜3月期もマイナス成長であり、見方としては、底打ちしたものの、持ち直せていない状況にあります。
また、今月13日に発表された日銀短観では、全規模・全産業の景況感を示す指数はプラスに転じ、国内景況感は正常化に向かい始めていますが、コロナ変異株への懸念もあり、先行きには慎重な見方が強まっています。
このような中、今月6日からは臨時国会が召集され、衆院選後初めての本格論戦が始まっています。岸田総理は、所信表明演説で、「新しい資本主義」を目指すこと訴えましたが、各党の代表質問でも指摘されたとおり、具体的な政策への反映は見えにくく、国民の期待に応えたとは言い難いものでした。聞き流し、聞き置くだけでは、到底「聞く力」とは言えないのではないでしょうか。「国民の命とくらしを守る」ためにも、今こそ、政治が果たす役割は高まっており、21日までの短期間となりますが、国民目線の論戦を深めていくことを期待したいと思います。
そして、一方では、2022春闘を迎えることとなります。2年続けてのコロナ禍での闘争となり、産業によって依然厳しい状況におかれているところもあるとはいえ、昨年とはかなり状況は異なっていることも事実です。日本が世界的にみても低い賃金であり、労働者に適正な分配が行われてきたとは言い難い状況であることを踏まえ、労働組合として「人への投資」を積極的に求めていかなければなりません。連合大阪としても、本日春闘方針(その1)を提起いたしますが、忌憚ないご意見をいただければと思います。
本日、どうか宜しくお願いいたします。