2021年11月19日
(第1回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和
大変厳しい闘いとなりました、第49回衆議院選挙について触れさせていただきたいと思います。今回の総選挙、全国的に多くの選挙区で与野党一騎打ちの構図がつくられ、局地的に波乱ともいえる結果もありましたが、全体としてみれば、自民党と公明党が絶対安定多数を確保しており、有権者は現政権への信任を示したことになります。私たち、連合として求めてきた二大政党的体制が実現しなかったことは重く受け止めなければなりません。
今次選挙では、コロナ対策が争点となる中で、私たちも「国民と政治を正しくつなぐ」闘い、即ちニューノーマル時代での持続可能な社会に向けては、国民と政治の信頼構築なくして、実現できないとの思いで、取り組みましたが、投票率は戦後3番目に低い55.93%に留まり、国民に広がる政治不信の深刻さが改めて浮き彫りになりました。また、全候補者の女性候補者比率も17.7%(当選者に限っては9.7%)に留まる等、政治分野におけるジェンダー平等の実現も大きな課題となりました。
連合大阪では、大阪の選挙区において、思いを共有する候補者13人を推薦し、全員の勝利に向けて活動を展開しましたが、小選挙区では議席獲得に至らず、比例復活も1議席獲得に留まりました。
一方で、日本維新の会は選挙区において擁立した候補者15名全員が当選し、大阪における政治勢力として確固たる地位を築くとともに、全国台でも支持を広げ、比例票は全国で約800万票を獲得、選挙前から約4倍に勢力を伸ばし、衆院では公明党を上回り第三党にまでなりました。すでに、国民民主党との連携なども報じられていますが、国政だけでなく、地方行政に及ぼす影響力も大きくなると見られています。維新が掲げる個々の政策の是非は別として、目指す社会は、私たちのものとは大きな隔たりがあります。これからの与野党の政局の動き、さらには、働き方を含め、私たちが目指す社会にどのような影響が及ぶのか、その動向を注視しなければなりません。
加えて、これまでも繰り返し申し上げていましたが、今回の選挙戦は、来年の参院選、再来年の統一選や大阪トリプル選につながるものです。私たちの主張が有権者に届いていたのか、いや、届いたのにもかかわらず選択されたなかったのか、そうであれば、その原因はどこにあったのか。選挙総括においては、戦略の見直しも含めて、しっかりと検証を深めければなりません。
こうした中、本日、立憲民主党の代表選が告示をされ、月末の投開票日に向けて選挙戦が展開されます。今回の代表選は、一政党の党首を決めるだけでなく、参院選に向けた枠組みにも影響を及ぼすものでもあります。
有権者に選択肢を示すことに繋がる代表選になることを強く期待したいと思います。
最後になりますが、現在は落ち着きつつあるコロナも、まだ収束したわけではありません。7-9月期のGDP速報値が、2「四半期」ぶりにマイナスになったように、内需の低迷は深刻で、本格的な景気回復には依然として時間が必要とされています。
また、失業者数は前年同期に比べて減ってはいますが、失業期間が1年以上となる長期失業者は大幅に増加しています。第6波の可能性も指摘されており、警戒を緩めることなく、しっかりと備えを進めていかなくてはなりません。
今年度も、コロナ対策だけではなく、多くの課題が目の前にありますが、大阪の働く者・生活者の代表として、着実に、また、時には変化を恐れずに運動を進めてまいりますので、皆様のご理解・ご協力をお願いし、挨拶にかえさせていただきたいと思います。
本日、宜しくお願いいたします。