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2021年 猛牛のように運動を進める

2021年1月22日〜26日 (第15回執行委員会〈持ち回り開催〉)
連合大阪 会長 田中 宏和

 みなさんお疲れ様です。
 コロナの影響もあり、例年とは異なる年末年始となりましたが、皆様におかれましてはご家族の皆様を含め、健やかに新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
 2021年最初の執行委員会が持ち回りとなりましたが、一言ご挨拶申し上げます。

 まず、初めに皆さんに残念なお知らせをしなければなりません。
 現、枚方市議会議員の中武貞勝様が1月14日お亡くなりになられました。中武様は、連合大阪北河内地域協議会で議長を歴任いただいた他、枚方市議会議員としてもご活躍されました。連合大阪では政策・政治フォーラム会員として、私たちの政策実現に向けた取り組みにご尽力をいただきました。心よりお悔やみ申し上げます。

コロナ禍での受け止め

 さて、2021年の年越しの景色はまさに一変しました。多くの恒例行事が自粛となる中、年始早々には、11都府県において再び緊急事態宣言が発出されることとなりました。また、感染の勢いも、年明けから加速しており、国内の感染者数は1月だけで10万人以上増加しています。

 この新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、私たちは歴史の転換点にいるとさえ言われています。コロナとともにあった昨年は、長く人々の記憶にとどまることになります。しかし、ウイルスが歴史の行方を決めるわけではありません。歴史を決めるのは、あくまでも私たち人間です。私たち人間の行動が、ウィズアフターコロナ社会の帰趨を決めるといっても過言ではないということを肝に銘じなければなりません。

 昨年はコロナの拡大が常態化する中で、様々な数字が日々発表されるようになり、数字ばかりに目が行きがちとなりました。しかし、その数字には、そこにいる人たちの悲しみや苦しみがあることを決して忘れてはなりません。コロナ感染症は、社会的に弱い立場の方々を直撃し、格差や貧困のさらなる拡大を引き起こし、社会システムに内在していた脆弱性が露呈しました。一方で、ひっ迫する医療現場を始め、ふりかかる苦難のなかで、なによりも支えや力になったのは、心の距離を近づけることだったのではないでしょうか。

2021年の展望と運動への思い

 こうした中、本年の世界情勢を展望しますと、これまで以上に複雑化、不透明化する見通しが強まっています。コロナ危機の解決に向け、ワクチンの普及に一定の道筋が見えつつありますが、ウイルスの変異や、再拡大というリスクも残っており、収束への見通しは不透明なままです。コロナ危機含みの中、米国大統領選の結果が、大国間の関係にどのような影響を及ぼすのか、また、英国の欧州離脱、中東情勢の流動化も加わり、世界は大きな変動期に突入しているといえます。

 わが国におきましても、2021年は、感染拡大の抑止と、落ち込んだ経済の復活が目下の課題となっています。日本経済については、2021年以降には改善傾向に進むという見方もありますが、感染症への警戒感が残る中では、そのペースは緩やかになると思われます。また、感染拡大の状況次第ではさらに厳しくなるとの見方もあります。コロナ感染症は、人の接触によって拡大し、生産活動を妨げ、供給と需要を同時に阻害します。経済と感染拡大の両立も必要なのは当然ですが、まずは感染症の収束に全力を尽くすことが求められています。

 私たち、連合大阪の運動におきましても、昨年に引き続きコロナ危機を乗り越え、新たな社会を創り出すことが最大のテーマであることに変わりはありません。経済情勢の行方が楽観視できない中、雇用情勢はこれまで以上の危機に陥る恐れもあります。雇用は社会全体で守るという視点と、社会全体の生産性を高め、成果の公平な分配に取り組むことがいっそう重要になります。その意味でも、2021春闘は、極めて重要な取り組みとなります。

 様々な社会課題に立ち向かい、持続可能な社会をつくりあげるためには、「命とくらしを守ること」をすべての基軸に、感染症の拡大によって明らかになった社会の脆弱さを克服し、未来を切り拓いていくことが不可欠です。そのためにも、今まで以上に労働組合の社会性を高め、ステークホルダー以外の幅広い層、さらには組織内部をも含めた社会対話に挑戦しなければなりません。

 また、本年には衆議院議員選挙が実施されます。今月18日から始まった第204通常国会における総理の施政方針演説では、国民への努力を求める一方で、政府自らが真剣に取り組む姿勢は示されませんでした。本国会における関連法案等の議論を注視しつつ、引き続き、感染症の早期収束とすべての働く者の安全・安心確保のため、政策実現活動や職場労使における対策の徹底、労働相談活動などに全力で取り組まなければなりません。

最後に

 さて、本年の干支は、辛(かのと)の丑(うし)です。子年に宿った生命が芽吹き出す状態で、まったく新しいことに挑戦するのに適しているといわれています。前回1961年の辛丑では、世界初の有人宇宙飛行が成功しております。また、2009年の丑年では、悲願であった政権交代を実現しております。住民投票で得た経験や教訓を生かし、来るべき衆院選への備えを進めていきましょう。

 いま、私たちが直面している課題はこれまでに経験したことのないものです。しかし、挑戦なくして、道は切り拓けません。コロナ危機による分断を阻止し、対話と協調を基底とする社会の実現に向け、臆することなく、猛牛のように運動をつき進めてまいりますので、本年におきましても、みなさまのご協力をどうか宜しくお願いし、挨拶とかえさせていただきます。

 みなさま、本年も力を合わせてがんばりましょう!!