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「住民投票」後の大阪の姿、with / afterコロナの社会を展望する

2020年11月24日 (第13回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

 みなさんこんにちは。

 本日は、大変お忙しい中、執行委員会にご参集いただき、心より感謝を申し上げます。また、先月23日には、皆様のご理解とご協力のもと、ウェブ形式による第26回地方委員会を開催し、補強方針を確認することができました。本当にありがとうございました。

 本日の執行委員会は、後半年度、第一回目となります。

住民投票

 まずは、前半年度からの年度をまたぐ重点課題であった住民投票について触れさせていただきたいと思います。5年半ぶり2度目となる住民投票は、前回同様に「僅差ではありましたが」、反対多数となり、結果、大阪市の存続が決まりました。皆様におかれましては、機関会議での呼びかけや、大阪市内の在住組合員に対する徹底・紹介活動など、多くの取り組みをいただき、改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。

 今回の住民投票は、当初、賛成多数で可決されるのではないかという見方が多くありました。こうした中でも、私どもは、リアルオーサカとも連携し、終始一貫して反対の意思を明確に示し、奇をてらうことなく、当たり前の主張を愚直に徹底したことが、今回の結果につながったのではないかとも思います。一方、大阪で圧倒的な政治勢力となっている維新としては、端的に言うと、市民との向き合い方含め、正々堂々と対応できなかったことが、影響したと考えています。

 ただ、私たちとしては、今回も賛否が拮抗した事実を重く受け止めるとともに、さらには、来年2月には、広域行政の一本化条例の策定や総合区設置に向けた動きもあることから、これらの動向注視と今後の対応に備えなければならないと考えています。

 本日、総括に向けての提起を行いますが、取り組みの検証は勿論のこと、如何に、大阪市が存続する中で、ウィズアフターコロナの大阪を展望し、そして、未来を作り上げていくのか、「働く者・生活者の代表として、そのために何ができるのか、また、何をしなければならないのか」皆さんからご意見をいただきつつ、議論を深めていくことが重要だと認識しています。

 一年以内には必ず、衆院選が実施されます。また、2023年には、統一選と同日程で大阪トリプル選も控えています。政治運動の重要性がさらに高まることからも、今総括はそれら取り組みにも繋げる物としたいと考えています。

コロナウイルスの感染拡大

 そして、もう一点触れたいのが、前半年度に大きな課題となったコロナウイルスです。

 三度、全国で感染者が激増しています。政府は、Gotoキャンペーン運用の一部見直しを表明しましたが、医療現場の状況が急速にひっ迫する中、遅きに失したのではないかとの批判も強まっています。また、経済状況では、7〜9月期のGDP速報値の大幅回復が報じられましたが、実質GDPの実額は508兆円と、2013年当時の水準です。コロナの拡大が止まらない中、世界経済の回復も鈍化、そして、内需回復の見通しも不透明であることから、経済情勢を楽観視することはできません。

 加えて、先月末(10月30日)に発表された厚労省の「過労死等防止対策白書」では、エッセンシャルワーカーの方々など、もともと長時間労働が慢性化していた業種で働く人たちの負担が、コロナ禍のもとでさらに重たくなっていることが明らかにされました。

 コロナ対策強化のためにも、エッセンシャルワーカーの待遇改善、さらには、人手不足の解消が急務となっています。

 このような中、今国会で、非正規労働者の待遇格差是正に向けた取り組みとして、野党四党による改正法案が衆院に提出されました。一時金や退職金の不支給が不合理ではないとする「先月の最高裁判決を踏まえての提案」となります。非正規労働者の不合理な待遇格差を禁じた現行法は、来年4月には中小企業にも適用されます。同一労働賃金、均等待遇の実現のためにも、私たちと志を同じくする政治勢力を大きくし、政策実現につなげなければなりません。

最後に

 後半年度におきましても、すでに様々な課題が浮き彫りになりつつある中で、一方では、コロナウイルス感染拡大への対応にも万全を期すことが求められています。活動と自粛と言う難しい舵取りのバランスを取っていかなくてはなりませんが、引き続きの連合運動への結集にご理解・ご協力をお願い申し上げ挨拶といたします。

 本日、どうか宜しくお願いいたします。