2020年5月22日
(第7回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和
※5月の執行委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため持ち回り開催とした。
執行委員会に参画されている皆様、それぞれの取り組み、本当にお疲れ様です。今回の執行委員会につきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、前回に引き続き持ち回り開催となりました。
まず、この間の春闘・メーデーの対応など、コロナ禍による前例のない対応が相次ぐ中、積極的なご協力をいただきましたことについて感謝申し上げます。加えまして、このコロナとの闘いにおきましては、構成組織組合員の皆さんはじめ、様々な立場で働く仲間が、懸命に取り組んで頂いていますことにも、改めて心から敬意を表します。
さて、その新型コロナウイルスの状況ですが、昨日、政府は、大阪を含む2府1県の緊急事態宣言を解除し、宣言が継続されることとなった首都圏の1都3県と北海道についても、25日に解除の是非を判断する方針を示しました。宣言の解除を受けて、大阪でも、休業要請などの措置の大幅な緩和が示され、社会経済活動が再開される見通しです。
感染症の拡大が抑えられつつある一方、経済情勢は深刻な状況に陥っています。コロナ関連による倒産は、5月21日16時時点では全国で174件、大阪においては13件となっています。内閣府が18日に発表した今年1〜3月期のGDPは、前期比年率マイナス3.4%となり、直近の街角景気も、3月に続いて4月も過去最悪の数字となっています。IMFなどの国際機関も、1930年代以来の恐慌に陥るとの見方を強めており、早期のV字回復の見通しも厳しくなっています。
当然雇用にも影響が及んでいます。厚労省によると、コロナ影響の解雇や雇い止めは、全国で約1万人にものぼっています。民間調査の中では、今年10-12月期には、失業率が4.1%まで上昇し、100万人以上の失業者が生み出されるとの推計も出されています。失業率が1ポイント悪化すると1,000人以上の自殺者を生みだすというデータもあることから、雇用を守る取り組みの一層の強化が求められています。
このような状況下においての、政治が果たす役割は極めて重要でありますが、この間の政府の対応等は、すでに皆さんがご存知のとおりです。長期政権のおごりと緩みは、行政運営にも色濃く反映されており、コロナ禍への初期対応への遅れや唐突な対応は、国民の不安を払拭するどころか強める有様です。また、検察庁法改正案をめぐっても、強引な手法を進める政権の姿勢に国民の怒りが拡大し、国会の行政監視機能の重要性が改めて示されることとなりました。
ここからは、私見になりますが、かつて、ある方が選挙に大切なのは、三つのS「ストラテジー・スピード・スピーチ」だと強調されていました。選挙は有事であり、現下の状況も有事であります。如何にしっかりと戦略を練り、スピード感をもって、国民に情報共有含め、説明責任を果たしていくかということの重要性は同じだと思います。その点、今回の対応でこれらを評価されたのが、大阪府吉村知事であり、世論調査では、最も評価される政治家となっています。首長がリーダーシップを発揮し、注目されること事態は素晴らしいことだと認識していますが、一方、今後、政治キャリアの踏み台を目的に、首長になろうとする安易な政治家、国政からの鞍替えも含めて、増えないだろうかと危惧しています。
最後に、今後の展望として、アフターコロナを考えるには時期尚早といわれるかもしれませんが、考えておくべき事があると認識しています。やはり、労働組合として、社会がどのように変わっていくのかについて、しっかりと見極めていくことが求められています。そのうえで、運動をどのように展開するのか、運動の主体となる組織をどのように構築するのかも考えていかなければなりません。
完全に元のような社会に戻るのか、それともウイルスとの共生を前提とした新しい社会を作っていくのか。未知のウイルスとの闘いゆえに先行きも見通せないことが多く、何が正解で、何が間違いかも分かりにくくなっています。しかし、こうした時だからこそ、私たちは、労働組合としての基本を大切にしていく事が重要だと考えます。
労働組合の原点は、弱い者たちが弱い者として連帯することにあり、立場の弱い人たちとしっかりと連帯した運動を展開していくことです。そのために、私たち連合大阪は、今何が重要で、どの取り組みを優先させるのか、職場・地域の声を受け止め、組織一体となって運動を進めていきたいと考えていますので、今後ともご理解の程、よろしくお願いします。