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2020春季生活闘争どう取り組む

2019年12月20日 (第2回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

 連合大阪は、諸先輩や皆さま、日ごろ連携いただいている皆さまのお陰で、12月16日に結成30年を迎えることができました。大阪の社会課題の解消を含め、これからも精一杯活動してまいりますので、引き続きのご協力、よろしくお願い致します。

 また12月18日には、山﨑顧問の感謝の集いを開催させていただきました。皆さまのご協力のお陰で盛会となり、これまでのご苦労をねぎらい、お祝いすることができました。心から感謝申し上げます。

 さて、春闘についてです。本日も、連合大阪2020春闘の取り組みについて提案させていただきますが、連合本部でも12月3日の中央委員会で春闘方針が確認されました。一言で言うと「分配構造の転換」につながる賃上げにどう取り組むかが主眼となっています。

  直近の世界経済では、対立していた米中の貿易協議が、今月、第一段階の合意に達しました。この貿易摩擦が、世界経済に大きな悪影響を及ぼしていたため、和解に向けた一歩として期待されます。しかし一方では、アメリカによる制裁関税や、中国の国有企業への補助金など、構造的な問題の着地点が不透明であるとも言われています。また、先日実施されたイギリス総選挙の結果が、EU離脱の方向に向く保守党の勝利と言う状況もあって、欧州でも不透明さが増すとも言われています。

 このように混沌とする世界情勢の中で、日本経済も米中の貿易摩擦のあおりをうけて、製造業を中心に減益が続いています。しかし他方では、意外に底堅いとする見方もあるようです。その理由は、日本の経済規模の指標であるGDPが、縮小していないというもので、2016年は521兆、2017年は532兆、そして2018年は533兆となっています。一概には言えませんが、これらのことからも、連合が主張する分配構造の転換が、より重要であると考えます。持続可能な社会を構築していくためにも、生み出した富の公正な分配により、貧困や格差という大きな社会課題の解消に向けて、本日提起する連合大阪の2020春闘方針でもしっかりと確認していただきたいと考えます。

 次に、政治についてです。臨時国会が12月9日に閉会しました。政権や閣僚のおごり、ゆるみがいっそう顕著になったことが象徴的だったと感じます。中でも、後半は、「桜を見る会」が焦点になりました。その対応については、森友問題に象徴される政権の隠ぺい体質がむきだしになりました。政治のモラルが失われており、政治不信が一層強まったものと考えます。結果として、世論調査で政権支持率が軒並み下落しています。否定的な意見もありますが、民主主義の根幹にかかわる問題であり、矮小化させずに、追及を徹底すべきだと考えます。

 このような中、年明け、通常国会が1月20日開会と報道され、冒頭解散という話も出ています。こうした中、野党は、合流に向けた協議をスタートさせました。昨日の中央執行委員会における神津会長のごあいさつでは、「二大政党的政治体制を理想とすることから望ましいものの、課題も多く、合流協議が分断をまねくことがあってはならない。支持組織を含め、丁寧な協議が必要だ」と述べられました。

 大阪における政治課題ですが、今月10日の法定協の議論も淡々と進み、来週26日の法定協で特別区素案の内容について採決され、賛成多数で可決される見通しです。来年11月1日か8日に、住民投票が実施されるとの報道もされています。

 今月26日に採決される素案の内容ですが、前回は大阪市を5つに分けるとしていましたが、今回は4つとなり、一見別物に見えますが根本的な要素は全く変わっていないと考えています。前回住民投票でも指摘された住民サービスの低下への懸念は残されたままとなっています。現に、分割に伴うコスト、例えば職員数の増加や新庁舎の建設などを穴埋めする財源が示されておらず、結果として削れるところは住民サービスしかないのではないかと危惧しています。その他、議員数・福祉・教育・子育てなどの問題も山積しています。

 少し余談になりますが、大阪市の経済の現状について考えてみます。大阪市の域内総生産、リーマンショック前の2006年を100とした指標で見ると、2017年時点で名目:98.1、実質:99.0となっています。ちなみに国内全域では、名目:103.5、実質:106.5となっています。また、大阪市内の事業所数は、2009年が208,289ヶ所、2016年が179,252ヶ所となっており、マイナス13.9%となっています。また従業員数は、2009年が2,364,216人、2016年が2,209,412人となっており、マイナス9.3%という実態にあります。要するに、大阪の中心域である大阪市域の成長スピードは全国に比べても遅く、維新政治が大阪経済を好転させていないという事を示しているのではないでしょうか。

 大阪の強みは、大阪市中心部に集積された都市基盤であり、万博などのビッグプロジェクトを前に、集積地である大阪を分割、破壊する意味はありません。連合大阪としても、住民サービスの低下、福祉の切り捨てを見過ごすことはできません。こうした問題点を、しっかりと発信していく事に努めてまいります。

 本日は、今年最後の執行委員会となります。今年一年の連合運動に対するご理解・ご協力に感謝申し上げるとともに、皆さまが良い年を迎えられ、新年も共に良い運動をしていくことをお願いしあいさつとさせていただきます。