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労働運動として行動を起こすべき時

2017年6月16日 (第20回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 昨日、いわゆる共謀罪法が成立した。連合としてのコメントは、事務局長談話を参照願いたい。

 加計学園問題についても、文書の存在が明らかになったが、今の政府のやり方をみていると、もううんざりする。要するに、安倍政府はきちっと議論する気も対話する気もないということ。こういう事に加担している議員は、次の選挙で落とすしかないと改めて思った次第である。本来なら安倍政権の支持率も急落してもいいと思うが、なかなか下がらない。一方で、民進党の支持率も上がらない。いかに民進党が信頼されていないかということである。個人的には、民進党にも反省してほしいと思っている。

(支持率に変化が見られないことの理由の)もう一つは、マスコミが思い切って書かないことである。

今日(6/16)の五大紙の一面トップ
読売新聞 組織犯罪未然防止
  テロ準備法成立
「総理の意向」文書確認
 「加計」で文科省きょう集中審議
朝日新聞 「官房副長官が指示」メール
  獣医学部新設 加計有利の条件
  萩生田氏は否定/14文書確認内閣府も調査へ
「共謀罪」法成立
  刑事司法の大転換点
  民主主義の荒廃した姿
毎日新聞 文科省、存在認め陳謝
  内閣府調査きょう公表
「共謀罪」法来月11日施行へ
  反発封じへ採決強行
日本経済新聞 「安倍1強」浮かぶリスク
 「共謀罪」法成立・加計学園問題…反発生む
  与党に内閣改造論
産経新聞 森友近く強制捜査
  補助金不正受給疑い
対テロ国際標準に
  組織犯罪処罰へ法成立

  マスコミも総じて半々に分かれている。書きぶりもそれほど厳しい書き方ではない。

 次に、2つの興味深い記事について紹介する。

 一つ目は、丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事社長)が日経電子版に「ゆで上がる日本」というコラムを書いていた。「ゆでガエル(カエルは熱湯に放り込むと驚いて飛び出すが、常温の水に入れ徐々に熱すると水温変化に気が付かず、ゆで上がって死んでしまう)」のお話である。

 「日本全体がこのお湯の中で気分良く暮らしている状況ではないで しょうか。閣僚や政治家の不祥事・不適切な発言にいつしか私たちは慣れていますし、与党による問題法案の強行採決もそれほど騒がれなくなっています。『異次元』とまでいわれた日銀の金融緩和も今や当たり前のようになっています。
『そのような指摘は全く当たらない』という官邸幹部の決めゼリフや『記憶にございません』という官僚の答弁にも、そのうちなんの違和感も抱かなくなるのかと思うと空恐ろしくなります」

 もうひとつ、ナチスに抵抗した牧師マルティン・ニーメラーの言葉を紹介する。

「ナチスが共産主義を弾圧した時、私は不安に駆られたが、自分は共産主義者ではなかったので何の行動も起こさなかった。その次にナチスは社会主義者を弾圧した。私はさらに不安を感じたが、自分は社会主義者ではないので何の抗議もしなかった。それからナチスは学生、新聞人、ユダヤ人と順次弾圧の輪を広げていき、そのたびに私の不安は増大したが、それでも私は行動に出なかった。ある日ついにナチスは教会を弾圧してきた。そして私は牧師だった。だから行動に立ち上がったが、その時はすべてがあまりにも遅かった」

 今、私たちはそうならないように、労働運動として行動を起こすべきだと考える。