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若者の貧困化をまねく奨学金問題

2015年6月19日 (第20回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

  • 労働者派遣法の改悪が、今日の衆議院の厚生労働委員会で可決された。
  • 午後から衆議院の本会議に緊急上程し、今日中に衆議院を通してしまう途上にある。
  • 野党共闘で「同一価値労働、同一賃金」法案を出しながら、自公と組んで修正案をだすという、維新の理解に苦しむ行動。
  • 政府与党の、強行採決という姿を作りたくないという戦略に、まんまとはまった。
  • 採決に応じながら反対という分かりにくい構図は、大阪でもあったが・・・
  • 年金の情報流出もあり、十分な審議ができたとは言えない。参議院で時間をかけて議論すべき。あまり早く通すと、国会の会期延長ともからみ、労働基準法の改悪までも視野に入ってくる。
  • 各地域では、すでに抗議行動を実施していただいた所もある。お取り組みに感謝したい。本日、大阪市地域協議会とともに、天満橋駅頭で抗議行動の予定。
  • また、会期が延長されるので、「Stop the 格差社会キャンペーン」も延長される予定。詳細はこれからだが、引き続きのご支援をお願いしたい。
  • 大阪労働者福祉協議会で取り組みを進めている奨学金問題。
  • 現在、大学生の二人に一人が、学費の高騰、世帯収入の減少などから、何らかの「奨学金」を利用している。しかし、利用している「奨学金制度」は、ほとんどが給付制ではなく有利子を含む貸与制で、卒業後、6カ月後には返済が始まる。
  • しかし、多額の奨学金(借金)の返済義務を背負い社会に出ていく若者の中には、卒業後の雇用状況などによっては、「返したくても返せない」者が増加し、返済期間も長期(15年~20年)にわたることから、若者の生活に大きな影響を与えることになる。このことは、若者の貧困化、中間層の崩壊にもつながるもので、持続可能な社会を危うくする。
  • 大学の学費が有料で、政府レベルでも給付型奨学金制度が存在しないのは、OECD34カ国のなかで日本だけ。
  • 日本育英会は2004年に廃止され、日本学生支援機構へと組織改編された。独立行政法人である日本学生支援機構は、奨学金制度を「金融事業」と位置づけ、その中身を更に変えていった。
  • 多数派である有利子の第2種奨学金の場合だと次のようになる。月に12万円を借り、入学時増額50万円を利用すると、4年間の貸与総額は626万円、上限利率の3%で計算すると返還総額は843万6847円。この場合、毎月の返還額は3万5125円で、返還年数は20年となる。
  • 受益者負担主義に基づく教育施策と、雇用破壊をもたらす労働政策の矛盾点が、こんな所に顕在化している。
  • 自民党政権の政策のひずみとして、しっかり指摘し、是正していくための社会運動が求められている。ご理解とご支援を!