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従軍慰安婦発言に厳重抗議

2013年5月17日(於:第19回執行委員会)

連合大阪 会長 川口 清一

 まずひとつは、昨日の連合中央執行委員会でも意見を申し上げた訳でありますが、「反省知らずの民主党」という見出しが躍っている民主党の大反省会についてであります。

 今、なぜこの時期に、だれが一体どこで責任を持って、この企画内容の実施を決定したのか、地方の立場からは伺い知れません。信頼をなくした職場の組合員に対して、懸命に民主党に対する信頼回復を図っている私どもの日々の運動をしている状況からして、7月の参議院選挙で組織内候補9名を抱え、それぞれの選挙区候補者の勝利に向けて取り組んでいるときに、このような大反省会をやるべきではないと思っております。今、一番訴えなければならないのは、下野しなければならなかった反省はもちろん必要ですが、むしろこれから、この国をどうゆう政策で導いていくかということを政党として国民に示していくことが一番問われていて、党存亡の危機にある民主党には、危機感と緊張感ある党内ガバナンスが必要ではないかということを改めて民主党に対して苦言を呈したいと思います。

 二つ目は、アベノミクスに関する問題です。今、円安・株高を生み出すなど、グローバル社会からもデフレ脱却への施策として好感を持って受け止められており、そのことにより先行きの明るさや期待感、株高の資産効果もあって、経済指標にも下げ止まりから上向きに変化がでつつある今日の状況です。しかし、予期しなかった長期金利の上昇など懸念材料もまったく無いとは言えない状況ですし、今の状況が実体経済を反映したものか、むしろバブル的な状況を醸しだしているのではないかと言わざるを得ません。そして、私どもが求める雇用や、賃金の回復・復元まで繋がっていない現状を、いかにして持続的な成長に繋げられるかが、今後の大きな課題ではないかと思っています。今後議論されていく成長戦略の具体的な施策、そこで議論されようとしている雇用分野の規制緩和など、成長戦略の先に潜む危機を回避することが重要であり、私どもに課せられた課題ではないかと思っています。とくに、雇用分野の規制緩和については、企業側の論理だけでなく、政労使の3者が同意できる内容に仕上げていかなければならないと考えております。引き続き、政策活動を通じて主張してまいります。

 三つ目には、橋下発言についてです。公党の代表者たる者、あるいは行政の長としての公職にある者としての発言は、極めて重いものがあります。それだけに今回の「慰安婦問題」や「風俗業の活用の問題」など一連の発言は、公人としての良識と品位が問われる発言であると同時に、女性の尊厳を踏みにじる発言であって、断じて容認できるものではないことを明確にしなければならないと思っています。また、男女共同参画社会への施策を進める行政の長としても、極めて不見識な発言であり、そうした考え方を持ちつつ、男女共同参画の施策が進められるか疑問視しなければなりません。今回の発言について、橋下市長は、一部不適切な発言と認めつつも、謝罪も撤回もしない態度に終始していますが、女性の人権を否定する発言について、厳重抗議をすべく連合大阪としての見解を早期にまとめることとしたい。