pagetop

民主党政権に思いをはせた国民の意思を受け止めて

2012年11月16日(於:第13回執行委員会)

連合大阪 会長 川口 清一

 14日の党首討論を経て、衆議院が解散をされるということになり、その後に開かれる閣議で12月4日公示、16日投票、東京都知事選挙とダブルの日程ですが、投開票という選挙日程が決定される見通しになりました。14日の党首討論のなかでも16日解散ということについて、様々な思いがあると思いますが、まさに総理の専決事項でありますし、この日本の政局を選ぶためにその決断をされたということだと思います。

 昨日、マスコミ報道にもありましたように、連合中央は民主党との間において、次期衆議院選挙に係る共同宣言をした後、政策協定を結ぶということを野田総理との間で持ちました。政策協定に盛られていることについては、その執行委員会の中でも諮られたわけですが、まさにこれまでの3年半の政権交代に大きな期待があり、すべてが期待に添えていない状況でありますが、それもこの3年半の間に、リーマンショックや東日本大震災があり、大きな課題へ対応せざるを得なかったという要因もあるわけですが、まだ十分に政権交代に託された国民の負託に応え切れていません。あるいは、その途中で多数の離党者を出すというような政権運営への批判も含めて、国民の目は大変厳しいものがあります。

 しかし、この政権交代に託した基本的な考え方は、まさに生活者・勤労者の視点にたって、この国を新しく変えていくという、そういう基本的な考え方、すなわち、その予算配分の面においても一括交付金が拡大される、あるいは公共事業の圧縮を含めて、子ども子育ての施策を充実させていくという、今日社会が求められているような制度政策の充実に向けて大きく舵を切ったということ、あるいは、教育の機会均等、高等学校の無償化を含めて機会均等の場を作りました。あるいは、労働法制における社会のセーフティネット、非正規労働者の保護規定、あるいは希望すれば65歳まで働ける社会の実現に向けた法案整備など、数々の生活者・勤労者の視点に立った政策を実行してきたという面で、これまでの自民党政権からの方向というものを大きく舵を切ってきた、その政権交代の意義をもう一度かみ締め、しかしまだ十分ではありませんし、その改革は道半ばと言わざるを得ませんが、そういう改革の流れをとめずに、さらに中間層の復活をめざして、まさに働くことを軸とする社会を作っていく。そのために心を合わせられる同志とともにこの国の改革をさらに進めていく。大変厳しい民主党に対する見方がありますが、そういう3年間の成果をしっかりと踏まえながら次へ展開をしていく。そのためにも、引き続き政権を担えるような対応・体制をとっていくということが共同宣言で示された主旨であり、私どもとしてもその主旨を踏まえて、これから選挙戦に臨んでいくということが、それぞれの組織の組合員お一人お一人にもその主旨はしっかりと伝えながら次期総選挙に臨んでいかなければならないと考えています。そういうことを昨日の共同宣言の内容に付言させていただきます。

 しかし、解散が決まって、この大阪の地は大変な状況にあります。小選挙区でまず「社会保障と税の一体改革」にともなう離党者を3人出し、つい先ごろ、1人が新たな道を選択するということで離党し、そしてまた昨日2人が民主党から離党する、そういう中で、私ども支援をしてきた立場からすると、きわめて残念であり遺憾としか言いようがないわけでありますが、世の中「信なくば立たず」という言葉がありますように、信頼なくして本当にその人の政治信条がまっとうできるだろうか。勝ち馬探しの選挙区選びは、きわめて選挙民を愚弄していると思えてなりません。

 そういう意味で今、民主党大阪選挙区、現職で言えば残される人は11人程度でありますが、一丸となって引き続いて政権を担っていく意欲を示しながら、選挙戦を戦っていただけるように期待をする限りですが、民主党政権に思いをはせた国民の意思をしっかり受け止めて政治を進めて欲しいということを改めて申し上げて、ごあいさつにさせていただきます。