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政治の責任でデフレ経済からの脱却を

2012年11月2日(於:第13回三役会)

連合大阪 会長 川口 清一

 連合大阪の第22回地方委員会への参加、ならびに大阪労福協の60周年の総会・記念行事にご参加いただきましたことにお礼を申し上げます。

 本日の新聞紙上では、個々の会社は別にして、電機業界の業績悪化の報道が大きく取り扱われています。業界主要三社で1兆1千億の赤字になっているとの記事があります。このことは、海外経済の減速の影響、あるいは80円ラインから70円台に入っている超円高が極めて大きな影響を及ぼしているでしょうし、これからのエネルギー問題、これまではエネルギーの量そのものに不透明感がありましたが、これからはコストにも不透明感があって、ますます経済界をめぐり円高・電力供給を含めてリスクがある日本社会の状況になっています。

 政治に対しては、特例公債法案が可決されないことにより、各地で影響がでていて、大阪のホームレス支援事業の基金も途絶えがちの状況になっており、まさに国民生活に実質的な影響がで始めている状況を放置したまま、与野党とも“政局ごっこ”をやっていていいのかと言わざるを得ません。こうした中で、しっかりと経済対策を講じていくこと、そしてデフレ対策を政府の責任のなかで講じていかなければ、個々の業界の業績だけでなく、日本全体の社会の活力をそがれていくのではないかと思っています。

 その中でもう一度日本の立ち位置・あるべき姿を見直すこと、つまり、これまで人口増加のなかでの国内市場が伸長しましたが、高齢化が進み、加速される中で、右肩上がりの成長モデルは達成しえない成熟した社会となっている訳ですから、政策の基本を見つめ直していくことが、政治の責任でもありますし、労働組合自身もある意味では、これまでの右肩上がりの社会のなかでのライフサイクルに応じた賃金体系を求めてきましたが、社会の構造が変化するなかで、組合内部の賃金体系の問題、あるいは税の再分配機能によって、全世代型の負担と分配のあり方を考えたときに、個別企業の、あるいは公務労働の職場の賃金体系は、“どうあるべきか”ということを、労働組合も議論をしていかなければ、これまでの水準を維持することに固執することだけでは、やがて組合員に対する責任を果たせなくなるのではないかと思えてなりません。

 別の側面で言いますと、公務員の給与・処遇の問題も財政審議会で下げるのが妥当といわれていますが、働く者の処遇の問題についても、これからの社会について大局的な見直しは、必要なものはやらなければなりませんが、“高いから下げる”という社会の大合唱は、デフレ社会を促進することなので、社会がすべて下げ方向、高いから下げる大合唱をやることが、今の社会で望ましいのかということを、私たちの立場からも主張していく必要があるのではないかと思っています。

 これから三役会の場においても、勉強会や意見交換を通じて議論を掘り下げていく必要があるのではと思いを新たにしておりますことを申し上げて、あいさつにさせていただきます。