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「働くことを軸とする安心社会」の
実現をめざして

2012年1月6日(於:三役会)
連合大阪 会長 川口 清一

 新年明けましておめでとうございます。

辰のイラスト 昨年は、国内外ともに激動の一年でした。今年は、その中でも東日本大震災の復興を確かなものにしていくことが問われる年です。また、世界では指導者選びが行われる年です。この中で日本はどのような責任と役割を果たすのか、大阪の地では新しいリーダーが誕生しましたが、果たして私たちの生活はどうなるのか、一抹の不安を抱かざるを得ない一年になるのではないでしょうか。

 こうした課題を見るにつけ、私たちがめざす「働くことを軸とする安心社会」の実現を考えたときに、連合大阪の役割の大きさを胸に刻み込んで運動していくことが必要ではないかと思っています。新しい年に日本の発展を期すためには、政治の力量が問われていることを自覚していただく必要があると思います。

 とくに政権交代が実現しましたが、国民の信頼が得られない、求心力が高まらない中で、TPPへの参加の問題や消費税の問題をめぐり、政策と政局が渾然となって動きつつあるという状況にあります。いま政治に必要なことは、将来を見据えて日本の国益のために何を選択するかという、確固たる政治の信念が求められるのではと思っています。決してポピュリズムや目先の利益のみに、右往左往する政治であってはならないと思っています。

 その意味で一夜にして大阪都構想に協力姿勢を示した既成政党の行動については、極めて残念であると言わざるを得ません。こうした状況のなかで、もう一度、政治家を支持するにあたって、その基本は、「私を捨てて公に徹する政治家」であるかどうか、あるいは、私どもの政策を「身を挺して体現してもらえる政治家」であるかということを中心に、選択をしていかなければならないのではと思っています。今年の干支、壬(みずのえ)辰は、これまでの社会の仕組みを変えて新しい仕組みを切り拓く端緒となる年であるといわれています。

 この意味で、労働運動もこれまでの延長線上の枠から一歩も出ないことではなく、大胆に発想の転換をして、縦から、横から、後ろから、斜めから物事を見て柔軟な対応をする必要があると思っています。しかし、大阪府・大阪市のトップに申し上げたいのですが、制度や仕組みを変えたから、全てがうまく運ぶということではありません。むしろ、社会や経済を動かすのは「人」であり、その人が大切にされる、人をどう育てるのかが問われており、いかに人を大切にするかについて、あらゆる場を通じて運動の本質を求めていかなければと思っています。また、労働組合や労働運動を否定するが如くの姿勢や行動については、毅然とした対応をしていかなければと思っています。

 新しい年に、希望や夢が失われない社会のために一緒になって頑張っていきたいと思っています。