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TPPへの対応など、二項対立の議論は避けよう

2011年12月16日(於:第2回執行委員会)
連合大阪 会長 川口 清一

 この度のダブル選挙に対し、ご支援いただきました全ての皆さんに改めて感謝を申し上げます。選挙の結果は残念の極みであります。敗れたのだから、敗軍の将、兵を語らずではありますが、敗戦の何たるやを議論しないと次の運動に繋がりませんのできっちりと総括したいと思います。

 選挙戦を通じて、橋下政治の手法の危うさ、無責任極まりない政治行動について批判し訴えましたが、府民・市民の皆さんの耳には届きませんでした。むしろ「変えるのか、変えないのか」という二者択一となり、改革への期待が支持を集めたという闘いの構図になってしまいました。その意味で、結果は厳粛に受けとめざるを得ませんが、平松候補は大阪市域において、41%52万を超える票を獲得しました。この票は、具体策を示さない橋下政策に白紙委任したものではありません。そうしたことが反映される議会運営がなされるように期待したいと思います。すでに、昨日の段階で民主党大阪府連、自民党大阪府連に対して、その意を踏まえて、これからの地方行政のあり方について、腰を据えて対応するよう申し入れたことを報告させていただきます。今後の対応については、少し時間をいただいて総括していきたいと思います。

 国会は、12月9日に幕を閉じました。連合は、労働者派遣法の改正について、今国会での成立を一義に、自公民3党による修正案も涙を呑んで成立を優先させた対応をしましたが、最終的に参議院の問責決議の対応のなかで、継続審議となったことは残念です。次期の通常国会でこの法案を仕上げていただきたい。ただ、修正案のままで法案成立できるかは、微妙な状況にありますが、派遣法の改正の実現を図りたいと思います。

 昨日の連合中央の執行委員会では、連合も国の重要政策、とくにTPP問題への対応について、当面の考え方が示されました。連合としてはかねてより、地域ではいろいろな議論がありますが、基本的に議論に参加していくということは了との立場で臨むという基本方針が示されました。

 TPPの対応については、最終は国会での批准が必要であり、様々な課題が想定されますが、ひとつ一つ議論して、どういう対応するかは改めて判断することになります。従ってTPP議論への参加について了解していくことを確認しました。地方連合会や一部の産別から慎重な議論、とくに農業中心に様々な意見がでました。本来、農業問題も確かに自由貿易の課題でありますが、かつてウルグアイラウンドで、農業の自由化の枠が拡大されたときに6兆円を超える税金を投入しましたが、ほんとに日本の農業は強くなったのか、どのような税の使われ方をしたのかなど検証されなければなりません。農業従事者の平均年齢が66歳を超えている日本の現状で、やがて自給率の問題や食の安全の課題は、今回のTPP対応に関わらず避けて通れない問題であり、日本の食の安全保障をいかに確保するかという観点での議論は必要であります。農業があるからTPPは反対だという二項対立の議論は避けなければなりません。