5月1日、第88回大阪地方メーデー実行委員会は、労働者の祭典「第88回大阪地方メーデー」を大阪城公園・太陽の広場で開き、連合大阪に集う組合員とその家族など3万7千人が参加した。
主催者代表あいさつで山﨑弦一実行委員長は、6年が経過した東日本大震災と昨年発生した熊本大地震について、「復興の途上にある被災地に思いを馳せ、決して風化させることなく、息の長い支援を続けていく必要がある」と、今なお避難生活を強いられている人々の存在と、日常的な備えの必要性について触れた。
そして、私たち労働者を取り巻く課題について以下のように述べた。「1点目は2017春季生活闘争。現時点で4年連続のベアを実現。多くの中小労組が大手を上回る成果を勝ち取っている。『大手追従・準拠などの構造転換』『底上げ春闘』の運動が着実に前進した。2点目は『働き方改革』について。政府の『働き方改革実行計画』が決定し、非正規労働者の処遇改善や罰則付き時間外労働規制の導入による長時間労働の是正など、連合が求めてきた政策が『実行計画』として結実したことの意義は大きい。しかし“真の働き方の改革”は、現場の労使の取り組みこそがカギ。すべての働く者の立場に立った“働き方の改革”となるよう、全力で取り組みを進めていく」と強調したうえで、政府が目論む「高度プロフェッショナル制度」や「解雇の金銭解決制度」などに対し、断固阻止をめざす意気込みを見せた。
最後に、慶応大学の井出英策先生の言葉を引用し、「『自己責任の恐怖におびえる国』から、分かち合い、満たし合いの財政に変換し、人々の共生をベースにした新しい社会モデル、ソーシャルインクルージョン、社会的包摂への政策への転換」の必要性を訴え、「多くの仲間と共に力強く労働運動を展開していく」と決意を述べた。
また、「組織強化・拡大への取り組みアピール」として、新たに労働組合が結成され、連合大阪の仲間となった組合から、UAゼンセン蓮美幼児学園労働組合の熊谷育子さん、JAM浪速鍛工労働組合の福本健二さんがそれぞれ登壇し、労組結成と取り組みの経過や、組合活動の重要性とその意義を訴えた。
そして、連合が全国で展開する「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」のメッセージペーパーを活用したアピールでは、メーデー参加者全員で「過労死をなくそう」「長時間労働をなくそう」の掛け声とともにアピールペーパーを高く掲げて、長時間労働の撲滅に向けた取り組みの前進を誓った。
式典終盤には、メーデースローガン、メーデー宣言を参加者全員で採択。参加者全員での団結ガンバロウで今年のメーデー式典を力強く締めくくった。