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たかが、されど「大都市制度手続き法案」

2012年6月15日(於:第8回執行委員会)

連合大阪 会長 川口 清一

 一つ目は、国会まで出向いて、連合大阪としての意思を示したにもかかわらず、大都市特例法案、すなわち都構想の特別区を可能とする法案が与党案として提出されたことを極めて遺憾だと言わざるを得ません。とくに輿石幹事長にあてて「慎重であるべき」という対応を求めてきた経過からすると、法案提出に際して党から、連合大阪へのシグナルが一切ないということは、いかがなものかと思わざるを得ません。

 各党は、大阪維新の会を敵に回したくないという思惑があるのかも知れませんが、大都市制度の問題は、そんなに急ぐべき課題なのでしょうか。市民生活への影響を慎重に吟味してもらわなければならない案件であるだけに、今回の「手続き法案」とは言え、提案されたことは残念だと思います。

 民主党の主張は、「この大阪都構想だけではなく、さまざまな自治体から、地域の事情に応じて自治制度を選択できる手法を求められている状況の中で『手続き法案』としての対応をとる」ということのようですが、住民生活への支障という問題が、回避できるのかというこということを含めて慎重に議論しなければと思っています。今日も大阪府市の会議の中で、都構想の是非をめぐり議論がなされていると仄聞しますが、引き続き大阪府議会・大阪市会の皆さんとも連携をとりながら、大阪での議論を注視していきたいと思います。

 二つ目は、「社会保障と税の一体改革」です。ご案内のように国会が終盤を迎えて、修正協議も大詰めに入っています。基本的に民主党と自民党は合意を見たと、報道で承知していますが、あと公明党を含めた3党合意が図られるかどうかで、最後調整が行われています。

 しかし、この修正の中身は、ほんとに社会保障はどこにいったのかという要素もあります。これから3党合意を踏まえ、最終の党内調整の山を越えなければならない課題もあります。中身について詳しく承知をしていませんが、マニュフェストに掲げた民主党の政策・政権交代の意義から遠のいていることが窺えます。そのようなことがあるにしてもしっかりと党内での議論がなされて、決まった結果には結束して対応するというのが、組織運営の基本ですから、そのことが党に対する信任を得る道であるということを改めて、国会議員の皆さんに認識してもらわなければならないと思います。

 いずれにしても消費税案が先行するようなことになっていますが、これはギリシャについで、イタリアもスペインも財政不安という状況の中でみれば、この法案に込めたメッセージには、国際社会のなかで財政改革を進めるという意思と決意を表すとう意味で重要な意味をもつ法案・課題であるだけに、慎重・熟議を重ねたうえで、国家財政を自らの努力により改革していくという意思を示すことが重要だと思っています。この21日に終盤の結論を得られるか予断を許しませんが、見守るしかありません。連合中央には、政権与党に対して叱咤激励をしていただければと思います。国会の動向を見守りながら、次の対応を考える必要があると思います。