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労働分野の小泉規制改革の轍を踏ませない

2013年8月2日(於:第22回三役会)

連合大阪 会長 川口 清一

 参議院選挙について、皆様方には、いろんな局面で大変なご協力をいただきましたことに、改めて感謝を申し上げたいと思います。結果は、民主党への期待が沸き起こることなく、失望のまま審判を受けることとなり、大敗北を喫しました。この結果を受けて、もう一度信頼に耐えうる政党に脱皮できるか、自己改革が進むかが問われているが、信頼回復に向けて民主党に残された時間は少ないという危機感と自覚を持ってもらう必要があるのではないか。

 民主党が、なぜ産業界や経済界など広範な支持が得られなかったのは、これまでも連合全体の立場から、時の政権に問題提起をしてきておりましたが、成長戦略を描ききれなかったことに尽きるのではないか。民主党の政策は「内需を中心とする経済政策」であり、そのことは、今日の少子高齢化社会のなかで間違っていない政策選択であったと思いますが、その政策を実行していくために、日本経済全体のパイをどう増やしていくか、そのために社会全体の資産をいかに国全体として有効活用をはかり、経済全体の富を引き上げるかというところに掘り下げて議論をしていかなければ、安定的な広範な支持を得られる政党に成長していかないのではと思っています。

 そういう内部論議を期待したいと思っています。一方、安倍政権の最大の弱点は、何度も申しあげていますが、再分配政策のあり方が欠けているのではと思っています。経済全体を成長させた後に、成長で報われない人や、就職困難層の若い世代に対する手立てをどう政策として打っていくのかが問われているのだと思います。今安倍政権がやろうとしていることは、かつての小泉改革で「史上空前の決算」という時代を迎えても、なお労働者に分配が行き届かなかったという轍を踏もうとしているわけで、労働分野の規制改革等がまさにそういうことだと思っています。

 その意味で、今後我々が求める政策実現のために、世論喚起を起こす大衆行動を中心に、政権批判を強めていく運動を行っていくこととしますが、この運動を行ったとしても、民主党への期待が高まることは、現実的に厳しいとを思わざるを得ません。そうした中でいずれ政界再編が加速されると思いますが、この動きに対して私たちはどのような備えをしておくべきなのかについて、今から準備をしていかなければと思っています。

 そうした政界再編のうねりのなかにあっても、連合が果たす役割は、スタンスひとつとっても極めて大きなものがあると思っていますので、これからさらに連合中央との連携を深めながら、地方の声をしっかり糾合して本部との連携にも意を用いてまいりたい思います。改めて三役会等で、どういう備えをするかという議論を深めさせていただくことを申し上げてあいさつとさせていただきます。