2012年5月1日(於:大阪地方メーデー)
連合大阪 会長 川口 清一
第83回大阪地方メーデーにご参加いただいた皆さん、大変ご苦労さまです。大阪地方メーデーの開催にあたり、実行委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
未曾有の災害をもたらした東日本大震災から1年2ヶ月が過ぎようとしていますが、復興・再生は道半ば、ガレキ処理も大きな課題となっています。
まずは、「日本再生元年予算」と位置づけられた2012年予算、震災からの復興・再生をより確かなものとするために、早期に予算執行できるよう政治は、その責任を果たさねばなりません。
一方、私たちは、この1年間、全国の仲間とともにカンパ活動やボランティア活動など、さまざまな支援活動を行い、昨年の「9.23大阪から元気を届けようチャリティバザール」や「3.11 from KANSAI」の取組みの中心的な役割を担ってまいりました。これらの活動を通じて人と人との「つながり」や「助け合い」「支えあい」そして、そこから生まれる「絆」が、人や社会を強くするということを改めて知ることができました。
私たちは、こうした貴重な経験を基に、引き続き支援活動に取り組んでいかねばなりません。
その意味では、ガレキの広域処理も克服すべき課題は克服し「助け合い」「支えあい」の心を大切にして、社会全体で支えることによって、1日も早い復興・再生を成し遂げられるよう、この大阪の地からも支援していこうではありませんか。皆さんのご理解をいただきたいと思います。
さて、わが国社会の現状は、6重苦や9重苦とも言われるように課題山積であります。東日本大震災からの復興を確かなものにすることはもとより、TPP問題や社会保障と税の一体改革、さらには国の安全保障にかかわるエネルギー問題など、日本社会の成長にとっていずれも重要な課題であり、安心・安全の雇用・労働政策を求める私たちにとっても避けて通れない課題であります。
まずは政府・民主党が、しっかりと危機感を持って一致結束、国益にかなう政策を実行することによって、国民の付託に応える政治の責任を果たすべきであります。もちろん、政策選択にあたっては、国民生活の安心・安全の確保はもとより、経済のあり様や、リスクをどう分析評価し、分担し合えるのかなど慎重かつ丁寧な議論がなければなりません。
今、この大阪でも、さかんに政策議論がなされていますが、結果して産業が空洞化し、所得も雇用も失うことにつながるような政策選択であってはならないし、リスクを横に置いた議論であってはならないと言うことであります。大阪の現実は、この10年間に大阪府域から転出・転入により減少した企業は、1150数社にのぼり、10兆円を超える企業売上高が減少しています。直近の3年間を見ても、約300社、3.2兆円の売上高が、この大阪から失われているのであります。このことは、雇用問題にも大きな影響を及ぼしている訳であります。
こうした現実に目を向けて、大阪の「元気を」「活力を」取り戻すためには、何をなすべきか、府民・市民の生活を守るため、大阪の、そして関西の経済活性化のために、まずは、地方行政の長としての責務に全力を傾注すべきであり、国政への進出を論じている場合ではない、ということを申し上げなければなりません。
この様な地方からの動きが中央政界に波紋を広げていますが、政局や選挙ばかり意識した行動や、政治への不信を背景に政権批判するだけの行動、民意を背景とした独善的な政治手法、さらには、ポピュリズムに寄り添う政治、うっぷん晴らしの政治手法は、いずれ公益を損なうことにつながりかねない危険性もあり、いつまでも、こうした政治手法に拍手喝采していてはいけないということに警鐘を鳴らしておきたいと思います。
また、労働組合に対する不当な介入や、不当労働行為も深刻な問題であり、私たちは、こうした行為を断じて許さないということを明言しておきたい。
大阪市で行われていることが、社会に影響を及ぼし、健全な労使関係が崩れていくことは容認できるものではありません。健全な社会の発展のためには、健全な労使関係が必要であるということ、そして、健全な労使関係には、お互いの立場を尊重することが何よりも肝要であるということを強く訴えておきたいと思います。
最後になりましたが、2012年春季生活闘争についてであります。
社会全体に蔓延する将来不安を払拭し、社会の安心・安定の実現をかけた重要な闘いと位置づけて生活闘争を行ってまいりました。
厳しい交渉環境ではありますが、今日までの回答状況は、全体としてほぼ昨年並みの水準回答となっていますが、中小労組の回答水準は、昨年実績を超えたものになっており、これから交渉が本格化する地場、中小労組においては、“格差是正”“底上げ”が図れるよう、そして、非正規労働者の処遇改善につながるよう産別の皆さんとともに闘争の支援をしていきたいと思います。
連合大阪は、日本社会の復興・再生と、連合がめざす「働くことを軸とする安心社会」の実現のために、そして真に民主的な大阪を取り戻すために運動を展開していくことを、本日、第83回大阪地方メーデーに結集した働く仲間の皆さんと共に、誓い合いたいと思います。 ともにがんばりましょう。
第83回大阪地方メーデー万歳! (→第83回大阪地方メーデー記事へ)