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権利の濫用、これを許さず

2012年3月2日(於:第5回三役会)
連合大阪 会長 川口 清一

 いま大阪で行われている30人近くの特別顧問(側近)を集めて、施策を矢継ぎ早に決定していくことは、行政手法として認められるのかも知れませんが、議会での同意もないままに、極めて重要な事項に決定権を持っているような進め方は、いかがなものかと思います。しかもその内容が、市民生活の質の向上に繋がるのか、国政に向けて注がれているのか極めて不透明だと思います。

 大阪の形を変えることに、特別顧問会議は議論を集中しているのではないかと思っています。そのような手法が先行して、中身の希薄な政策が、支持を得ることになっていないか見極めていかなければなりません。橋下「維新の会」が大阪府・大阪市行政で何を成果として挙げたのか、あるいは法的な手続きが踏まれているのかどうかを、徹底的に検証しなければなりませんし、その役割を私ども連合が果たしていかねばなりません。また、マスコミもその役割を果たしていくことが重要ではないかと考えます。

 その政策は何を狙いに、そして合理的かつ社会的な秩序を踏んだ手続きが行われているのかなど検証を加えることが必要ではないかと思います。閉塞感からくる、市民・府民の鬱憤晴らしの行政に終わらせてならないと思っておりますので、大阪市政・府政についての政策提言ができるように注視をしていかなければと思っています。

 蛇足になりますが、法治国家において生活体系を構成する民法の第1条には「権利の濫用、これを許さず」ということがあり、過半数をとったから、大きな支持を得たからといって、権利の濫用は許されるものではありません。今の府・市行政の立ち居振る舞いは、「権利の濫用」になっていないかということも注視していかねばならないと考えます。

 また、今日の新聞では、大阪府の労働組合の政治活動から端を発して事務所問題に言及する記事がありますが、労働組合の組合活動をご存知なのでしょうか。自らの労働条件の維持や、自らの存亡にかかる内容に賛成・反対の意思表示をすることは、まさに組合活動であって、政治活動と曲解して事務所問題に繋げるやり方は、まさに暴挙ではないかと思います。