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コラム「徒然なるままに」(2007年5月)

問われる さまざまな「品格」

連合大阪 事務局長 脇本ちよみ

 最近「〜の品格」が流行である。「国家の品格」の本が良く売れた。また、最近は「おごれる正社員は久しからず…」のナレーションで始まるテレビドラマ「ハケンの品格」が高視聴率だったようである。

 私も最近「女性の品格」という本を読んだ。著者は元内閣府男女共同参画局長であり、現在昭和女子大学副学長の坂東真理子さんである。第1章の「マナーと品格」から「品格ある言葉と話し方」「品格ある装い」「品格ある暮らし」「品格ある人間関係」「品格ある行動」そして第7章の「品格ある生き方」まで、さまざまな角度から具体的な例を示し、「品格」について書かれている。読み進むにつれ、タイトルは「女性の品格」になっているが、基本的には「人としての品格」について書かれてあるのだと納得する。

 私が興味をもったり、反省させられたりしたいくつかのことを引用してみると、“ぜい肉をつけない”“姿勢を正しく保つ”“勝負服をもつ”(「品格ある装い」の章)、“花の名前を知る”“得意料理をもつ”“良い客になる”“無料のものをもらわない”(「品格ある暮らし」の章)、“仲間だけで群れない”“利害関係のない人にも丁寧に接する”“むやみと怒りを顔に表さない”“後輩や若い人を育てる”(「品格ある人間関係」の章)、“目の前の仕事に振り回されない”“権利を振り回さない”“品格ある男性を育てる”(「品格ある行動」の章)などがある。

 特に「人生の多くのことは“グラス半分のワイン”。空でもないが満杯でもない。すべて100%満足ということはなく、いいことも悪いこともある。悪いところばかり探して落ち込むより、好奇心や向上心をもち、いいところを探したり想像することで新しい風景が見えてくる」という“グラス半分のワイン”の項、また、「自分のしてほしくないことは人にもしないというのは品格ある生き方の基本」という“ゴールデンルール”の項などは、そのタイトルもおしゃれであり、にじみ出る著者の「品格」を感じたものだ。

 品格とは「品位」であり、その人に備わっている人格そのものを表す指標であろう。その意味では、一人ひとりの働く者としての「品格」や労働組合リーダーとしての「品格」、ひいては「連合大阪」としての「品格」も考えていかなければならないと改めて思ったところである。

 折りしも、統一地方選挙を終了したところである。多くの地方議員が誕生した。選挙期間中、謙虚に見えた人も当選した途端「傲慢(ごうまん)そのもの」に変ぼうする人もいる。また、伊藤前長崎市長殺害事件に怒りを覚え、民主主義の重要さを改めて思った選挙でもある。

 「議員」に求められる「品格」とは何だろう?少なくとも選挙中に「お願い」した有権者の思いや声に対して、選挙後の結果がたとえどうあろうとも、“真摯(しんし)”であり続けることなくして「議員の品格」があるとはいえないだろう…。

 すぐに参議院選挙がある。一人でも多くの「品格」ある議員をぜひとも誕生させたいものである。