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4.教育・人権・行財政改革施策

1.教育施策

(1)35人学級の実施にむけて

 きめ細かな指導が可能となるよう小学校1・2年生のみならず、対象学年を拡大し、子どもたちが安心して落ち着いた学校生活を送れるよう35人学級編制に取り組むこと。合わせて、いじめなどの問題もあることから教員やスクールカウンセラー(※27)・ソーシャルワーカー(※28)を増やし、指導が行き渡る体制を確立すること。

(2)給付制奨学金制度の改善について

 日本学生支援機構奨学金の併用者(第一種と第二種両方の奨学金を貸与される者)に所得連動型(※29)の返還制度を導入するよう国に対して働きかけること。

(3)労働教育・社会教育の推進にむけて

 幼児期から高等教育段階までのすべての教育課程で「労働の尊厳」を深く理解し行動するための労働教育を行い、勤労観・職業観を養うこと。また、すべての子どもたちが、学校教育において社会保障や税、労働法などに関する知識や、職業体験等を通じてより働くことを学ぶ機会を拡充すること。

(4)府立高校の再編整備について

 府立高校の再編整備にあたっては、活力ある学校づくりを進める観点から「府立高等学校再編整備方針」が策定された。本方針を踏まえ、平成26年度から平成30年度までの5年間に行う教育内容の充実と学校の配置に係る再編整備の年次計画が平成25年度を目途に策定される。その内容等については、当時者である中学生や中学生保護者に対して丁寧に周知すること。また、中学校の進路指導の負担とならないよう各市町村と連携し対策を講じること。

2.人権施策

(1)ハラスメント・人権侵害等に関する取り組み強化について

 府民のあらゆる人権侵害を速やかに救済するため、ドメスティック・バイオレンスやハラスメント、セクシュアル・マイノリティ(※30)など、相談対応の機能充実にむけて施策を講じること。

3.行財政改革

(1)大都市制度の取り組みについて

 大阪府と大阪市は、大阪にふさわしい大都市制度の具体的な制度設計を行うために、法律に基づき、特別区設置協議会を設置し、議論されている。制度設計にあたっては、基礎自治体優先の原則に基づいた地域主権改革となるよう、住民サービスの低下や事務コストを増大させないこと。また、政令市の大阪市がもつ政策能力を活かすことや大幅な権限移譲を進めることが重要で、第30次地方制度調査会の答申との整合性についても十分熟慮されること。

(2)大阪府市統合本部について

 府市共通の課題に関して、重要事項の方針を決めるために大阪府市統合本部で広域行政・二重行政の仕分け等に取り組んでいるが、大阪府と大阪市のみの議論だけでなく、節目においては、市町村との協議の場の活用とパブリックコメントやタウンミーティング等で府民との連携をはかり、府域全体を考えた広域行政としての役割を果たされること。

(3)財政健全化にむけた財政規律の確保について

 府税収入は、経済・雇用環境が大幅に改善することが見込めず、一方で社会保障関係経費の大幅な増加や償還財源の確保など構造的な課題を抱えた厳しい環境となっている。財政規律の堅持からも、今年度、地方分権に逆行して実施された地方交付税の減額や自治体への一括交付金の廃止など、地方税財源の充実確保に向けた制度の見直し等について、国への積極的な提言および要請を行うこと。

(※27) スクールカウンセラー
女教育機関において心理相談業務に従事する心理職専門家の職業名、および当該の任に就く者のことである。心理職専門家(臨床心理士)
(※28) スクールソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーは、主に社会的弱者への福祉相談業務に従事する福祉職専門家であり、スクールソーシャルワーカー(SSW)は、その中で教育機関において当該の任に就く者のことである。福祉職専門家(社会福祉士)
(※29) 所得連動返還型無利子制度(現行制度)
家計状況の厳しい世帯の学生・生徒を対象として、無利子奨学金(第一種奨学金)の貸与を受けた本人が、卒業後に一定の収入(年収300万円)を得るまでの間は願い出により返還期限を猶予することで、将来の返還の不安を軽減し、安心して修学できるようにすることを目的とした制度。
(※30) セクシュアル・マイノリティ
性にまつわる場面において少数派で社会的、政治的弱者。同性愛者、両性愛者、半陰陽者(医学的には「性分化疾患」)、トランスジェンダー(性別移行「性同一性障害」を含む)などが含まれる。