pagetop

権力を持った人は、謙虚に意見を聞くべき

2012年7月6日(於:第9回役員会)

連合大阪 会長 川口 清一

 いくつかの点にふれて開会の挨拶にさせていただきます。まず、いくつかの組織から、真意を尋ねられておりましたのでお答します。6月29日の新聞に報道された、古賀会長が自民党の国土強靭委員会に出席したおりに、今後の選挙の推薦のあり様に言及したことで、直ちに推薦の見直しをするやの報道があったことについてです。古賀会長から、まず微妙なタイミングに会議に出席することの是非については、年明けから調整してきてこの時期になったこと、衆議院の採決日と重なる場合は遠慮するつもりだったが、結果的に出席することになったことにご理解いただきたい。

 通常でも、自民・公明など野党に対して政策要請の活動を行っており、自民党の委員会に出席して連合の国土政策を主張することは、日常の政策活動の延長線上のものであること。推薦の関係も会議の出席議員から「連合は民主党一本ですね、政策の実現にはもう少し幅広い対応をされては」との質問に、古賀会長は「日本の政治は政党政治で2大政党を中心とする意思決定のなかにあり、我々は政策制度を実現する観点からこれまで民主党を基軸に支援してきたし、今後も変わらないこと」を主張された。

 ただ、民主党も採決で割れた直後であり政局の流動化のなかで「遠い将来を見据えると推薦のあり様の見直し論議があるかも分らない」と答えたそうです。その後、会議に出席されていた議員が会場の外でマスコミに「遠い将来」の文言を省いて伝えられたようで、心配をかけて申し訳ない。是非とも真意をご理解いただきたいとのことでありました。

 2点目は、民主党政権についてであります。これまでも様々な局面で党内対立を繰り返し、2年で3人の総理を選ばれ今日に至っていますが、残念な党内対立の状況が続いています。その都度、政権交代に託された国民の負託に応えるために、一致結束した対応を求めてきた立場からすると、今回の事象は極めて残念なことです。加えて大阪の足並みは、乱れ極まりないことで、怒りを感じるといわざるを得ません。

 政局に目を奪われずに、組織で決めたことを「私を捨てて公に尽くす」こと、「自らを捨てて組織全体を支える」こと、そうした行動を通じて、決めたことは断固としてやりぬく姿勢を示すことが、最も肝要ではないかと思います。政策選択によって混沌とした日本の将来を招聘しないためにも、必要な政策を、勇気を持って対応していかなければなりません。現在の民主党には、原点に立ち返り、政治行動を取って欲しいと思います。

 3点目は、大阪市政改革プログラム案に対して、執行委員会で確認いただいた内容の申し入れをさせていただきました。その際には、関係する諸団体とも充分な意見交換をするべきだと強く求めてきました。しかし、一昨日の報道では、文楽協会との懇談においても非公開ではだめだとありました。あるいは、労働組合の適正化条例案では、交渉はフルオープンで報道機関をいれた中でやることを前提とするような条例案を出そうとしています。これは、意見交換に際して特段の理由もない条件設定に固執することは、不誠実な対応以外にありません。そのような対応には、きっちりと反論していかなければならないと思っております。「権力を持った人が、懇談の機会を閉ざさずに謙虚に市民の意見を聞くべきだ」と強く訴えたいと思います。