pagetop

劣化している雇用の質の改善を
2012春季生活闘争

2012年2月3日(於:第4回三役会)
連合大阪 会長 川口 清一

 いよいよ2012春闘が始まります。雇用の質が劣化し、非正規労働が増え、200万円以下で働き、生活している層が直近の厚労省統計では27%になり、4人に1人を超えて拡大しています。三役会の副会長の皆さんには、劣化している雇用の質の改善につながるような交渉展開をお願いしたいと思います。

 また、31年ぶりに貿易収支が2兆5千億の赤字に転落をするという中であり、個々の企業では厳しい環境のなかでの交渉になると思います。東日本大震災の復興を確かなものにする、あるいは日本全体の経済活力を生み出す、そのために必要な分配について、しっかりと主張して交渉を進めていただきたいと思います。

 とくに、2012春闘をめぐって経団連の経営労働政策委員会報告が示されていますが、コスト優先の経営に終始している報告書ではないかと言わざるを得ません。これまでの短期的な利益至上主義、あるいは、株主価値に偏った経営があり、その結果安易な従業員の解雇や、正規から非正規への転用といった労働諸条件の切り下げが行われました。

 その後、リーマンショックを受けて反省したにも関わらず、グローバリゼーションの進展などコストを重視する経営の指標として全てを否定するものではありませんが、経営労働政策委員会報告のなかでは、短期的利益の至上主義に他ならないと思えてなりません。

 株主だけではなく、すべてのステークホールダーに公正な分配をしていくことが、働き甲斐にも、社会の活力の向上にもつながることを、私たち労働組合もしっかりと認識しながら交渉に立ち向かうという姿勢が必要ではないかと思っています。是非とも、難しい中ではありますが、ひとつ一つ成果を挙げていただくようにお願いします。