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2016年度 大阪市立大学・連合大阪寄付講座

ケーススタディ③
非正規労働者の組合づくりと処遇改善に向けた取組み

日時 講師
2016年11月28日 松本昌三氏(UAゼンセン大阪府支部 支部長)

講義のねらい

「UAゼンセン」とは、約164万人の組合員が加盟する日本最大の産業別労働組合である。労働組合の組織率が低下する中、組織拡大運動(組合づくり)の意義、また流通業界で働く人の5割を占める非正規労働者を組織化する目的、実情、課題等を説明する。

講義内容要約

松本昌三氏

松本昌三氏

 UAゼンセンは、繊維、化学、食品、流通、サービスの産業別組織で、組合員数は164万人。組合員に占める女性の割合は約60%で、短時間勤務の組合員は56%である。

 全国の労働者にうち非正規労働者が4割近くを占めるようになった。非正規労働者の増加は社会へ大きく影響している。格差の拡大、所得減と将来不安のよる消費の減退と未婚化、少子化、国の財政基盤への悪影響など。もちろん、労働組合の組織率に影響を及ぼしている。スーパーで働く人は、正社員はほとんどいない。パート・アルバイトが80%を占めている。

 非正規労働者の増加で、労働者の過半数を組織する組合でなくなり、労働者の代表となれない。働く仲間として、正規・非正規関係なく多くの仲間の結集が影響力を高める。UAゼンセンは、非正規労働者に対して労働組合への加入活動を積極的に進めている。

 今後の運動課題は、同一労働同一賃金と正規・非正規雇用の賃金のあり方、平均的ライフサイクルと賃金のあり方検討で、組合員の処遇改善を目指すことである。

講座を終えて

 スーパー、外食産業で働く非正規労働者の実態を紹介することで、非正規労働者と正規の格差が浮き彫りとなり、大きな社会問題であることが理解できた。

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